その不用品回収業者は必要な許可取得してる?各種許可について解説!

法令に基づき不用品を回収するには許可が必要

結論から言うと、不用品回収業者が業務を行うためには指定された許可の取得が必須です。

街中で「無料で不用品回収を行います!」と宣伝しているトラックや、自宅のポストに無料回収チラシを投函している業者などもあるでしょう。

しかし、このような宣伝を行っている不用品回収業者は基本的に違法です。

クリット
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絶対に依頼してはいけません。

もしも許可を取得していない不用品回収業者に依頼をすると、以下2つのリスクが発生します。

①不当な料金を請求される

宣伝のときには「無料である」と謳っておきながら、回収後に理由をつけて料金を請求されたりすることがあります。

  • 「思ったよりも量が多いので追加料金が必要」と言って請求する
  • 「回収は無料だがトラックに詰め込むものは有料」と言って請求する
  • 勝手に自宅に上がり込み理由をつけて不用品を強制的に回収する

不当に料金を請求されれば、損をするのはもちろん消費者です。

②違法な輸出や不当投棄をされてしまう

悪質な業者は回収した物からお金になる金属やパーツなどをとって、残りを空き地や山中へ不法投棄を行うケースや、正式な手続きを行わずアジアの途上国へ輸出をするケースが多いです。

このような処分を業者が行った場合、元の持ち主である消費者の責任も問われます。適正に処分を行ってくれると思って業者に依頼したのに、自分が無関係な悪行で罪に問われるのは絶対にいやですよね。

ですので、このような事件に巻き込まれないためにも正式な許可を取得していない違法業者には絶対依頼してはいけません。

業者が不用品回収を行う際に必要な許可3つ

それでは具体的に、不用品回収業を行うために必要な資格には、どのような種類があるのでしょうか?

下記の3つをご紹介します。

  1. 取得が困難な「一般廃棄物収集運搬業許可」
  2. 最低限必要な「古物商許可」
  3. 産業廃棄物の処理に必要な「産業廃棄物収集運搬業許可」

①取得が困難な「一般廃棄物収集運搬業許可」

「一般廃棄物収集運搬業許可」を取得することで、家庭から排出される一般廃棄物を収集運搬できるようになります。

資格の取得方法は以下の通りです。

1.法律で定められた「10個の欠格要件」に当てはまらないかを確認する。

2.個人、法人それぞれで申請に必要な書類を準備する。

個人の場合
  • 許可申請書
  • 事業計画書
  • 講習会を受講した証明書
  • 図面や説明書類
  • 誓約書
  • 住民票納税証明書
  • 車両の写真や車検証、および使用権限証明書

法人の場合

上記+定款および履歴事項全部証明書・過去の貸借対照表・役員名簿・損益計算書

3.市区町村の窓口で申請する。

手数料として1万円が必要。

しかし、一般廃棄物収集運搬業許可は3つの中で最も取得が困難です。これには、以下2つの理由があります。

①すでに業者の数が足りている

一般廃棄物には、不用品回収で扱う粗大ゴミなど以外にも、通常の可燃ゴミなどが該当します。

そのため、普段のゴミも含めて「一般廃棄物を回収できる業者は充足している」と自治体が判断した場合、新規募集されないのです。

②一般家庭の不用品回収をするためだけに申請しても許可が下りない

資格取得のためには、一般家庭だけでなく事業所から出る「事業系一般廃棄物」の収集も加味した経営計画が必要です。そのため、「一般家庭から出る粗大ゴミだけを回収したい」という考えでは、許可が下りないのです。

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こうした理由があるため、最低でも「古物商許可」を取得しているかは確認しておきましょう。

②最低限必要な「古物商許可」

「古物商許可」があると、不用品をリユースやリサイクル目的で買い取れるため、結果的に不用品回収への許可も下りたことになります。

ただし、作業費や運搬費はかかるため、各種費用から買い取り分を値引きという形になるのが一般的です。

資格の取得方法は以下の通りです。

1.個人、法人それぞれで申請に必要な書類を確認する。

個人の場合
  • 別記様式第一号その1(ア)
  • 別記様式第一号その2
  • 別記様式第一号その3
  • 住民票
  • 誓約書
  • 未登記である証明書
  • 略歴書
  • 身分証明書

法人の場合

上記の書類+別記様式第一号その1(イ)+法人定款+登記事項証明書

2.営業所を管轄している警察署で申請する。

手数料として、収入印紙で19,000円が必要。

不用品回収業を行うためには最低限、古物商許可の資格が必要です。

③産業廃棄物の処理に必要な「産業廃棄物収集運搬業許可」

「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得すると、事業所と連携しての不用品回収の実施や、回収した品物を「自社の産業廃棄物」として扱えるようになります。

例えば、「家電販売店と連携して家電リサイクル品目を回収する」ということが可能になるのです。

家電リサイクル法対象の4品目は処分不可!正しくリサイクルする方法

資格の取得方法は以下の通りです。

1.以下の4点に該当しているかを確認する。

  1. 「公益社団法人産業廃棄物協会」による講習会を受けている
  2. 持続的な経営見込みがある
  3. 欠格自由に該当していない
  4. 「運搬用の車両・駐車場・廃棄物が混ざらないための容器」が揃っている

2.個人、法人それぞれで書類を揃える。

個人の場合
  • 許可申請書
  • 事業開始にかかる資金総額
  • 資金の調達方法を記載した書類
  • 住民票
  • 未登記の証明書
  • 事業計画
  • 運搬施設の概要
  • 所得税の納税証明書(直近3年分)
  • 確定申告書の写し(直近3年分)
  • 資産調書
  • 誓約書
  • 収集運搬業務の全体計画
  • 環境保全措置の概要
  • 運搬車両の写真
  • 車検証の写し
  • 指定講習会修了証の写し
  • 本店や事務所などの地図

法人の場合
  • 許可申請書
  • 事業開始にかかる資金総額
  • 資金の調達方法を記載した書類
  • 住民票
  • 未登記の証明書
  • 事業計画
  • 運搬施設の概要
  • 法人税の納税証明書(直近3年分)
  • 確定申告書の写し(直近3年分)
  • 決算書
  • 誓約書
  • 現行の定款
  • 履歴事項全部証明書
  • 収集運搬業務の全体計画
  • 環境保全措置の概要
  • 運搬車両の写真
  • 車検証の写し
  • 指定講習会修了証の写し
  • 本店や事務所などの地図

3.各自治体の窓口で申請する。手数料として81,000円が必要。