各自治体に設置されているゴミ捨て場は、原則としてその周辺地域に住む方がゴミを廃棄するための場所です。
それでは、もし周辺住民以外の方がゴミを捨てるとどうなるのでしょうか?
この記事では、ゴミを不法投棄した場合の罰則や、不法投棄される側とならないための対応策などについて解説していきます!
廃棄物処理法違反になる可能性が高い
ゴミ捨て場に住民以外が家庭ゴミを不法投棄した場合、「廃棄物処理法違反」になる可能性が非常に高いです。
廃棄物処理法は、正しくは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」と呼ばれており、同法律の16条に
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
と規定されています。
ゴミの不法投棄に課せられる罰則および罰金は以下の通りです。
五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第五章「罰則」の第二十五条
この罰則は、不法投棄未遂であっても適用されます。さらに「懲役」とあるように、ゴミの不法投棄では逮捕される可能性もあります。
本人としては気軽な気持ちで不法投棄を行ったかもしれません。しかし、その1回の不法投棄で前科が課されることもあるのです。
私有地に不法投棄されることも多い
ゴミの不法投棄による廃棄物処理法違反が適用されるのは、マンションのゴミ捨て場だけではありません。以下のような場所でも適用されます。
- 個人の所有する畑
- 一軒家の庭
- あまり手入れされていない個人所有の山
つまり、場所や状態を問わず、個人の私有地であれば適用されるということです。
ゴミを不法投棄されやすい土地の特徴としては、以下が挙げられます。
①あまり管理されていない土地
雑草が生い茂っていたり、建物が老朽化したまま放置されていたりするなど、明らかに管理されていない土地ではゴミの不法投棄が発生しやすいです。
不法投棄する人物は、当然ですが「バレずにゴミを捨てたい」と考えます。
そのため、管理されておらず人の出入りが明らかに無さそうな土地は格好の場所なのです。
②不法投棄がバレない場所にある土地
管理者はもちろん一般の通行人が通るような場所では、ゴミを不法投棄すると見つかる可能性が高いです。
捨てる様子を見られれば現行犯で罪に問われる可能性もあるので、交通の便が悪い山中など、人気の少ない場所で不法投棄は行われます。
③すでにゴミが捨てられている土地
管理されてゴミが無い場所では不法投棄をするとすぐにバレます。
しかし、すでに不法投棄が行われていたり、そもそもゴミ屋敷状態になっていたりする家では、多少物が増えても気づかれにくいです。そのため不法投棄の温床となります。
④道路に面した土地
道路に面した土地は車で乗り入れしやすいです。そのため、持ってきたゴミを不法投棄してそのまま逃げることができてしまいます。
ゴミを不法投棄されないための対策
このように、土地の状態や立地によってはゴミを不法投棄されることもあり得ます。
しかも、私有地に不法投棄されたゴミは、犯人が見つからない限り所有者が処分しなければなりません。自分の物ではないゴミを処分しなければいけないというのは、絶対に避けたいですよね。
そのため、以下のようにゴミの不法投棄を防ぐための工夫が大切です。
①防犯カメラを設置する
もちろん本物のカメラを設置するのが理想ですが、フェイクでも効果はあります。
②張り紙や看板を立てる
以下のような文言で張り紙や看板を設置すると効果的です。
- 不法投棄禁止
- 見つけ次第警察に通報します
- 防犯カメラあり
③人感センサーライトを設置する
人感センサーライトとは、人が近づくと自動的に光るライトのことです。
実際に人がいなくても、急に点灯することで「あなたを見ています」という威嚇になります。
④定期的に巡回してキレイな状態を維持する
土地が汚れていると、「不法投棄をしてもバレない」と思われてしまいます。そのため、定期的に清掃や雑草狩りを行い、キレイな状態を維持しましょう。
⑤ネットや編みなどを用いて容易に捨てられないようにする
自治体のゴミ捨て場にあるようなネットを敷くことで、不法投棄の邪魔をできます。スムーズな不法投棄ができなければ、諦めて帰っていくかもしれません。
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ゴミの不法投棄は、廃棄物処理法違反に該当するもの。明らかな法律違反なので「警察に対処してほしい」と考える方もいるでしょう。
不法投棄をした犯人を捕らえるのは手間なので、可能なら警察に動いてほしいものです。
しかし残念ながら、警察は相談には乗ってくれますが、事件として扱い実際に出動してくれることはほとんどありません。
もちろん、絶対に対応してもらえないわけではありません。不法投棄されたゴミの中に、死体・盗品・その他危険な品物などが入っていることもあるため、事件性が高ければ対処してくれるでしょう。
ただしそうでなければ、基本的には自治体への相談を促されることが多いです。
そのため、上記で紹介した対策を講じるなど「そもそも不法投棄をさせないための工夫」が一番大切です。