資源ゴミとは?
「資源ゴミ」とは、回収後に新たな資源として再利用できるゴミのことを指します。
基本的にゴミは、回収された後に焼却や埋め立てを通じて廃棄されるもの。しかし中には、新たな品物を作るための素材として活用できる場合があります。
そうしたゴミを他と同じように捨てるのはもったいないですよね。
資源ゴミとして分別して出すことで、資源として有効活用できるのです。資源ゴミに該当する品目が何になるのかは、地域によって多少異なります。
例えば愛知県名古屋市の場合、以下に該当するものが「資源ゴミ」として扱われます。
- プラスチック製容器包装(洗剤ボトル、ネット、トレー、緩衝材etc)
- 紙製容器包装(ジュースパック、包装紙、空き箱etc)
- ペットボトル
- 空き瓶
- 空き缶
- 紙類(新聞、雑誌、ノート、カレンダーetc)
- 布類(洋服、毛布、タオルetc)
収集された資源ゴミはリサイクルされて生まれ変わる
上記で紹介したような資源ゴミに該当する品目は、リサイクルされ新たな品物として生まれ変わります。
例えば、愛知県名古屋市では以下のように再利用されます。
回収前 | 再利用後 |
---|---|
アルミ缶 | 同じアルミ缶や自動車部品、鋳物などに加工される |
スチール缶 | 同じスチール缶や鉄筋などの建築資材に加工される |
プラスチック製容器包装 | 容器以外のプラスチックや食べ残しなどの「不適合物」を除去した後、ペレットなどのプラスチック製品、固形燃料などに加工される |
紙製容器包装 | 不適合物を除去した後、ダンボールやボイラー燃料、紙箱などに加工される |
ペットボトル | ラベルの除去および粉砕をした後、衣類やクリアホルダー、卵のパックなどに加工される |
空き瓶 | 瓶を細かく粉砕して「ガレット」にした後、同じガラス製品やアスファルト、断熱材などの建築材料などに加工される |
また、愛知県知立市では以下のように再利用されます。
回収前 | 再利用後 |
---|---|
アルミ缶 | プレス機によって潰した後に溶解炉で溶かし、再度アルミ缶に加工する |
スチール缶 | アルミ缶同様にプレス機で潰して溶かした後、同じスチール缶や車の部品に加工する |
古布、古着 | 古着のまま国内外へ輸出する。あるいは、ぞうきんや布団の中身などに使う |
瓶類(白瓶、黒瓶、茶色瓶) | 細かく粉砕して、再度瓶にリサイクルする |
古紙類 | ダンボール、雑誌、牛乳パックなどの古紙類は、パルプ機で繊維状にした後、卵パックやトイレットペーパーなどに加工する |
ペットボトル | 細かく粉砕し、ペットボトルや衣服の原料に加工する |
プラスチック容器包装ゴミ | 汚れの有無をチェックをし、プラスチックの原料に加工する |
青緑瓶 | 細かく粉砕後に、グランドを作る材料として使う |
小型家電 | 分解および破砕した後、金属の種類やプラスチックごとに分別されて、リサイクルされる |
このように、回収時と同じ用途で再利用されるものもあれば、全く新しい品物として生まれ変わることもあります。
限りある資源を有効活用するためにも、自分が住んでいる自治体で資源ゴミとして分類されている品目を把握し、正しく分別して捨てる意識を持ちましょう。
粗大ゴミ(大型ごみ)の定義とは?粗大ゴミを正しく処分する方法蛍光灯の取扱いに注意
ただし、蛍光灯を資源ゴミとして出す際は注意が必要です。
蛍光灯自体はリサイクル可能な部品で作られていますが、きちんと分解してから資源ゴミとして出さなければ再利用できません。
下記のように、部品ごとに分解して出しましょう。
回収前 | 再利用後 |
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ガラス部分 | グラスウール |
金属部分 | アルミ |
水銀も適宜リサイクルされます。
日本の資源ごみ事情がピンチ
このように、さまざまな品物に生まれ変わる可能性を持つ資源ゴミ。しかし実は、将来的に「資源ゴミを捨てられない」という事態が起こる可能性があるのです。
東京都テレワーク実施率調査によると、2021年時点で、新型コロナウィルスの影響で在宅をする方が増えています。実際、2020年3月時点で「24%」だったテレワーク実施率は、2021年8月時点で「65%」まで拡大しています。
こうした在宅勤務の増加や自宅で過ごす時間の長期化なども影響し、自宅で排出されるゴミの量が増えているのです。
さらに、新型コロナウィルスの影響で「みんなで物をシェアする」という意識が薄れ、使い捨てされる物も増えています。
こうした事情が重なり、家庭ゴミの排出量は増加しています。
それでは、排出されたゴミはどこで処理していたのでしょうか?
それは「中国」です。
今まで日本では、中国にお金を支払いその代わり資源ゴミのリサイクルを依頼していました。しかし、数年前から中国は資源ゴミの輸入をストップしています。
つまり、国内の資源ゴミの排出量が増えているのに処理先が無いという状況になっているのです。
そのため、将来的にゴミを捨てるのが難しくなるのではと危惧されています。
そうした事態を防ぐためにも、「自治体のルールに沿ってゴミを捨てる」ということが大切です。自治体によってゴミの分別方法に差があるのは、各自治体によって効率的にゴミを処理できる方法が違うためです。
例えば、「プラスチックを資源ゴミに分別する」という自治体もあれば、「有毒ガスを浄化できる焼却炉を所有しているのでプラスチックは可燃ゴミとして分類してほしい」という自治体もあります。
もちろん、なるべくゴミを出さないように生活することも欠かせません。