専ら物って何?不用品回収業者に専ら物の回収を依頼したい場合

専ら物(もっぱらぶつ)って何?

「専ら物」とは、一言で説明すると「産業廃棄物の中でも、特に”再生利用”を目的とされている品目」のことを指します。

具体的には、以下の4品目が専ら物に当てはまります。

  • 古紙
  • 古銅を含めたくず鉄
  • 空き瓶類
  • 古繊維

上記の品目は「廃棄ではなく再生利用を目的としている」ため、本来、産業廃棄物の収集や処分をする際に必要な「一般廃棄物や産業廃棄物処理業の許可」および「マニュフェストの発行」が不要であるとされています。

この内容は「廃棄物処理法第7条第1項ただし書・同条第6項ただし書・第14条第1項ただし書・第6項ただし書」に記載されています。

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専ら物がよく誤解されている点

このように、専ら物に該当する産業廃棄物を対象として収集および処分を行うのであれば、本来収集業者に必要な資格を所有していなくても問題ありません。

ただし、この4品目に該当するからといって「無条件で専ら物である」というわけではないためご注意ください。

あくまでも「再生利用を目的として産業廃棄物を回収する」という場合に適用されるものです。

例えば、上記4品目に該当するゴミを回収した場合でも、焼却処分や埋め立てなど「明らかに再生利用目的ではない方法」で処分をしてしまうと、専ら物の概念からは外れます。

ポイント

専ら物として回収した廃棄物は「マテリアルリサイクル」を実施して、新たな品物に再利用することが必須です。

このマテリアルリサイクルとは、再利用可能な品目を再利用して別の品物を作るという、いわゆる一般的なリサイクルに該当するものです。

例えば、以下が当てはまります。

  • 古紙を再利用して新聞に加工する
  • アルミ缶を再利用して自動車部品に加工する

こうしたリサイクル行為をせずに通常のゴミと同じように処分してしまうと、「廃棄物扱い」となり処理業の許可が必要です。

注意

一般的なゴミ処理を行うにもかかわらず、必要な処理業の許可を保有していなければ法律違反となるため、十分に注意しましょう。

また、回収品目に「専ら物以外の品目がどれほどの割合で購入しているか?」ということによっても定義が変わります。

例えば、専ら物ではない汚泥や廃油などが回収の過程で混合することもありますが、法律で「専ら物以外の品目がどれくらいの割合で含まれていたら除外する」と線引きされているわけではありません。

クリット
クリット

ケースバイケースで判断するため、一概に定義を言うことはできないのです。

さらに、あくまでも専ら物は「廃棄物の一種」であるため、産業廃棄物処理委託契約書の締結が必須です。

専ら物で不要なのは、あくまでも以下の2つに限られます。

  • 産業廃棄物処理業の許可
  • マニュフェスト

「処理業の許可が不要だからといって、産業廃棄物処理委託契約書も不要になるというわけではない」ため、十分に注意しましょう。

不用品回収業者に専ら物の回収を依頼する場合

このように、専ら物は法律上の定義がややこしい品目です。

一応、不用品回収業者側も専ら物の回収をしてくれますが、「専ら物のみ」を回収するケースはあまりありません。なぜなら、専ら物に該当する品目は限られているため、人件費などコスト面を考えても採算を取りにくいためです。

そのため、他の不用品と一緒に専ら物を回収するケースが多いということを覚えておきましょう。

それでは、不用品回収業者に専ら物の収集を依頼する場合に気をつけるべき点を、2点解説します。

依頼者が専ら物の処分費用を支払う

専ら物の回収時には、処分費用を別途支払う必要があります。

これは通常の不用品回収とほとんど変わらない流れです。

物々交換で有価物としての取り扱いにしてもらう

専ら物は、物々交換をしても構いません。例えば、「専ら物を回収する代わりにトイレットペーパーを渡す」などです。

この物々交換を行うことで、専ら物は「廃棄物ではなく有価物」という扱いになるため、確実に廃棄物処理法の適用を受けずに事業を展開できます。

「有価物」とは、他人に有償で売却できる物を指します。

クリット
クリット

売却しているので、当然「廃棄物」には該当しません。

そのため、産業廃棄物処理業の許可取得が不要なのはもちろん、産業廃棄物処理委託契約書を作成しなくても法律違反にならないのです。

ポイント

専ら物は、先述のように該当品目以外の混入割合なども関わってくるため、適用範囲が定まっていません。そのため、自分が予期せぬ形で法律違反を犯していたということもあり得ます。

そうした事態を防ぐためにも、不用品回収業者が物々交換で専ら物を回収することもある、ということは覚えておきましょう。

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